「国際協力ってどんなことをするんだろう」と思い始めた人にオススメしたい本5選~フィールド編~

こんにちは!Z-shanです。

この記事では、ご自宅で勉強を頑張る学生の方に、おすすめしたい書籍を紹介します。まだ国際協力に関する知識にあまり自信がない社会人の方にもオススメです。

 私は、イギリスの大学院で公共政策を学んだ後、新卒で日系の国際協力団体に就職し仕事をしています。私は学生の頃から国際協力の世界で活躍したいと思い、希望を叶えております。そんな学生時代の自分を思い出しつつ、社会人としての経験を踏まえて現場で役立つ知識や、現場で働く人が書いた以下の5冊をピックアップしました。

 私が大学院でどんな勉強をしたか気になる方は、下記の記事をご覧ください。

【4分で読める】海外の公共政策大学院では何を学ぶ? 本当に国際協力の仕事に活かせるの?

1冊目:アジアの政治経済・入門


 少し古い本ですが、大学時代に読んでとても勉強になりました。アジアの国々が第二次世界大戦以降どの様な歴史を歩んできたか、政治面(政策面)と経済面の両面から解説している本です。タイやインドネシア、マレーシアなどが東南アジアの中でも急速に成長した理由、カンボジアが内戦に至った経緯など、今のアジアの状況を知るうえで重要な歴史的背景が数多く書かれており、非常に中身の濃い1冊です。

 途上国の支援をする際にこうした背景を知っていると、よりその地域に合った支援ができ、プロジェクト設計をする上で役に立っている本です。アジアは国際協力のフィールドとしては絶対に外せない地域の1つです(日本のODAでもアジアへの比率が高いです)。国際協力における「アジアの専門家」になるための第1歩としても、是非オススメしたい1冊です。

 日本のODAの4つの特徴について解説した記事はこちら。アジアへの援助比率が高い理由などにも簡単に触れています。

 

 より詳細に、最新の日本のodaの状況について地域別・国別解説した記事はこちら。

 

2冊目:ヨーロッパの政治経済・入門


 こちらは1冊目の本のヨーロッパ版です。国際協力の現場は、途上国だけではないです。国際機関といっても国連の他にも東南アジア諸国連合(ASEAN)やアフリカ連合(AU)などがあります。そのうちのひとつが欧州連合(EU)です。EUは最初の地域機構として、様々な新たな試みを行ってきました。ユーロの導入や移動の自由などは良く知られていますね。この本はヨーロッパ諸国の政治経済、EUがどの様な経緯で設立され、どんな道を歩んできたのかについて知ることが出来ます。

 例えばイギリスがEU離脱を決めましたが、なぜイギリスなのか、イギリスは何故いまだにユーロではなくポンドなのか、歴史を知ることでわかります。また、EUの歴史を知ることでASEANやAUなど、他の地域機構との違いや各機構の抱える課題を深く理解することが出来ます。EUが一番先端を走っているので、今後同じような仕組みを途上国で導入する際に、何に気をつけなければならないのか、何がカギになるのか考えるきっかけになります。私も大学時代にこの本でEUについて学び、ゼミではEUとASEANの比較研究をしました。国際関係論とともに読むと、さらに理解が深まると思います。

 

3冊目:絶対貧困―世界リアル貧困学講義


 皆さん、貧困や乞食についてどんなイメージを持っているでしょうか?食べ物が無くてつらい?子供でも働かないといけない?いろんなイメージがあると思います。この本は、作者が実際に世界各国のスラムに足を運び、彼らの生活をルポ取材したものです。ここまでだったらよくある本かもしれません。しかしこの本を勧める理由は次の2点で他の本と大きく異なるからです。

 一つは貧困地域の人々も同じ人間であり、辛いときもあれば楽しいときもあること、つまり彼らの明るい部分もしっかり伝えてくれている点です。作者はスラムの人々を「生きる力が強い人達」として考えます。この本を読んでいて私はスラムの人々がかっこよく見えたり、親近感が湧いたりしました。遠い場所ではなく現地の体温を感じるようなとてもリアルな描写の数々は必読です。

 もう一つは貧困地域の目を背けたくなるような現実も詳細に伝えていることです。乞食として同情を買ってお金を沢山もらうために自分を傷つけたり、他人の子供をさらって乞食にレンタルしたりといった非道や習慣が、貧困地域では横行しています。そうした本当に辛い現実を取材を基にしっかり伝えてくれる本です。

 国際協力を入り口は「困っている人を救いたい」という気持ちが多いですが、まずは「どんな人を助けたいか」を知ること・明確にすることが重要です。特に途上国の現場での仕事は肉体的にも精神的にもハードな場面に出くわすことが多いですが、具体的なイメージを持っていることは、モチベーション高くこの仕事を続ける上で、とても役立っています。また、この本を通じて貧困社会で生きる色々なケースの人々を知ることで、自分がどんな援助をしたいのか、本当に人々の生活を豊かにする支援とは何か、視野をより広く持って考えるきっかけにもなります。特にまだ途上国でのボランティア経験などがない方は「世の中にはこんな世界があるのか、、、」と、物の見方が変わるくらい衝撃を受けるかも知れません。この本の作者は日本の貧困や、3.11の被災地のルポも書いているので、ご興味のある方は以下の本も併せて読んでみてください。

4冊目:イスラム: 思想と歴史


 世界3大宗教の一つであるイスラム教について、皆さんはどのようなイメージがあるでしょうか?テロ、イスラム国、断食、など色々あると思います。インドネシアが浮かんだあなたは、結構イスラム教の「通」かもしれないです。でも、日本で暮らしているとなかなか親近感の分からない、身近ではない宗教だと思います。

 この本は、イスラム教ってどういう宗教?という素朴な疑問だけでなく、コーランとは?断食ってなんで必要なの?なんで豚肉は食べてはいけないの?という基本的なことから、イスラム法や宗派の違いなど少し込み入った話まで、わかりやすく説明してくれています。ちなみに大学時代私にイスラム法を教えてくれたイスラム教徒の先生もおススメの1冊でした。この本を読んだ後でイスラム教関連のニュースを読んだり、イスラム圏の人々と接すると、彼らの行動について理解が深まるだけでなく、文化に沿った援助の必要性やプロジェクトデザイン上での注意点を感じることができます。国際協力の世界では、インドネシアやパキスタンなどイスラム教が主流の国も多く含まれます。この機会にイスラム教について少し勉強してみませんか?

5冊目:バッタを倒しにアフリカへ


 最後はこんな関わり方もあるという紹介になると思って選んだ本です。皆さんはバッタが原因で深刻な食糧問題が起きていることをご存知でしょうか。特に2020年は、北アフリカから南アジアにかけて甚大な被害が出ています。サバクトビバッタちいう種類のバッタが大量発生し、穀物を食い荒らしていくために、飢饉が起きるのです。国際機関としては、国連食糧農業機関(FAO)が対応しており、毎年バッタの駆除や発生予想などを行っています。この本はそんなバッタの被害に対して、バッタの研究者が立ち向かうという内容です。

 作者は日本の研究機関で昆虫(主にバッタ)の研究をしていますが、ある時バッタの問題を解決すべく、モーリタニアに飛びます。モーリタニアで活動していく中で、現地の人にもその仕事を認められていき、現地の名前をもらうまでになります。彼がどの様にしてこうした活動を行ったのか、どうやって結果を出したのか、この本を読むとよくわかります。

 専門知識を生かした国際協力は、建築家や医者だけではなく、こうした形でもできることを知ってほしくて、この本を選びました。この本をきっかけにあなたの好きなことで国際協力ができないか、考えてもらえたら幸いです。

進路について分野別で書いた記事はこちら

 

最後に

 今回は私が今まで読んだ本の中から、これから国際協力分野の勉強を始めようと考えている方に現場の事を理解するのに役立ちそうな本を厳選しました。これらの本は今でも読み返すことがあるくらい私にとって大事な本です。この記事を通じて皆さんの学習の一助になれば幸いです。より学問的な本も下記の記事で紹介していますので、あわせて読んでみてください!

 

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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