【4分で分かる】二国間援助の種類~ODAの種類は?(PART2)~

 こんにちは!コウイチローです!

 この記事は全2回で「ODAってどんな種類があるの?」について解説していきます。今回は、二国間援助の種類について説明します。

※(前回)「ODA(政府開発援助)の種類は?PART1」はこちらからどうぞ。

 

※「そもそもODAって何?」という方は、こちらからどうぞ。

 

(前回までの復習)二国間援助とは?

 前回の記事で「二国間援助では日本政府と途上国政府との間で、日本から資金や技術を途上国に提供する約束が交わされ、援助が実行されます。」と説明しました。

二国間援助

二国間援助は全部で3種類!

 二国間援助は、まず「政府貸付」と「贈与」に分かれます。2つの違いは返済義務の有無です。政府貸付とは途上国政府にお金を貸すこと、つまり返済義務が発生します。贈与は途上国にお金をあげること、つまり返済義務がありません。

 さらに、贈与は「無償資金協力」と「技術協力」に分かれます。違いはお金をあげる(無償資金協力)か技術を提供するか(技術協力)です。

 政府貸付の中で二国間援助に該当するものを、有償資金協力といいます。日本円でお金を貸し付けるため、円借款とも呼びます。国際協力の業界では円借款と呼ぶことが多いです。これらを図で表すと以下のようになります。

二国間援助の種類

有償資金協力、無償資金協力、技術協力の特徴と目的

 では、簡単にそれぞれの協力内容について解説します。

(1)有償資金協力(円借款)

 有償資金協力の主な目的は「インフラの整備」です。途上国が自力で発展していくためには、道路や鉄道・水道・空港などのインフラの整備が不可欠です。

 他の特徴としては、インフラの整備には莫大な資金が必要になるため大規模(多額)な援助になることや、返済までの期間が長いため長期に渡り「援助国と被援助国」という関係を維持できること等があります。

 実は有償資金協力は日本のODAの特徴なのです。欧米諸国のODAは無償が基本的な考えです。そのため、与えた資金を最終的に返済させる日本のODAのやり方に批判が起こることもあります。しかし、返済義務があることで途上国の人々に「返済するためにこのインフラを有効活用して発展しないと!」という気持ちを起こさせ自助努力を引き出せるとされています。これについては、別途記事にしたいと思います。

 返済義務があるため、途上国の中では所得水準の高い国に対して実施されることが多いです。

 

 

(2)無償資金協力

 無償資金協力とは、日本から途上国に返済義務なしの資金を与える支援です。途上国はその資金で資材・機材・設備などを買い、自国の発展に役立てます。それぞれの具体例を挙げると以下の通りです。実際には他にも経済と社会の発展に寄与する多種多様なものが買われます。また、返済義務がないため途上国の中でも所得水銃が低い国に対して実施されることが多いです。

・資材

軽油や小麦など

・機材

病院用の医療機材

道路を作るための建設機械

農業の効率を高める農業機械など、

・設備

空港で使用するX線検査システムなど

 

(3)技術協力

 技術協力は、途上国の人材育成を目的とした支援です。農業や土木など、特定分野の専門家を派遣して、知識や経験、技術を伝えます。

 途上国が持続的に発展するためには、物をあげるだけではなく人材育成が大切です。機材を買ってもそれを使える人がいないと、結果的に誰にも使われずゴミになってしまいかねません。技術協力は、資金援助の対象とならない(=途上国の中ではかなり所得水準が高い)国向けになされることが多いらしいですが、無償資金協力がなされている国にも技術協力はなされています。

 上記3種類の二国間援助の特徴をまとめるとこのようになります。

二国間援助の種類別の特徴

全2回のまとめ

 前回の記事では、ODAを多国間援助と二国間援助に分けました。今回の記事では、二国間援助を有償資金協力、無償資金協力、技術協力に分けました。最後に全てをまとめると、以下のようになります。(前回の記事で最初に書いた図と同じものです。)

ODAの全体図

最後までお読みいただきありがとうございました!

※(前回)「ODA(政府開発援助)の種類は?PART1」はこちらからどうぞ。

 

※二国間援助、多国間援助のメリットについて解説した記事はこちら。

 

※意外な分野での二国間援助の例を書いた記事はこちら。

 

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