【5分で読める】TICADとは?内容、主催者(共催者)、目的、重点分野について分かりやすく簡単に解説!

 こんにちは!コウイチローです!
 最近TICAD(ティカド)という言葉をよく耳にしますね。SDGsを勉強していると出てくることもあります。TICADってそもそも何でしょうか?この記事では、TICADの内容、主催者(共催者)、目的、重点分野について、分かりやすく解説します。

TICADとは

 TICADは「Tokyo International Conference on African Development」の頭文字を取った略称です。和訳すると「アフリカ開発会議」となります。簡単にいうと「アフリカの経済や社会の開発について議論する会議」です。

 この会議で、アフリカ諸国に対して、「どのような方法で」「どれくらいの」援助を行うか決めたり、支援状況の報告や今後の展望や課題などについて話し合います。例えば、2008年に開催されたTICAD4では、2012年までにアフリカに対するODA額の倍増(9億円→18億円)が公約として掲げられ、達成されています。

 1993年より、2013年までは5年に1度のペースで、それ以降は3年に1回のペースで開催されています。次回は第7回目(TICAD7)で、2019年8月28日(水)から30日(金)を予定しています。

TICADの主催者(共催者)

 まず説明しておくべきことは、TICADの発起人は日本だということです。日本が様々な関係機関を巻き込んでTICADを立ち上げました。

 共催者は、日本国、アフリカ連合委員会(AUC:Africa Union Commission)、国連アフリカ担当事務総長特別顧問室(UNOSAA:United Nation Office of Special Adviser on Africa)、国連開発計画(UNDP:United Nation Development Plan)、そして世界銀行(WB:World bank)です。

TICADの目的

 TICADの目的を知る上でのキーワードは、「パートナーシップ」と「オーナーシップ」です。TICADの目的は、UNDPやUNESCOのHPで以下のように書かれています。(*3,4)

(1)アフリカ諸国首脳と開発のパートナー間のハイレベルな政策対話(パートナーシップ)を促進すること

 ここでいう開発のパートナーは、国際機関やアジア諸国、民間企業やNGOなど多岐に渡ります。

(2)アフリカによる開発イニシアティブのための支援を結集すること

 日本の援助は、援助された国のオーナーシップ(援助を受ける国が自らの力で経済成長していこうという気持ち)を引き出すことを意識して取り組まれるという特徴があります。開発イニシアティブとは、簡単にいうと、発展途上国が物やサービスを輸出する能力を強化することです。詳しく知りたい方はこちらのページが参考になります。

 

重点分野

 アフリカが抱える課題は多いため、TICADの重点分野も多岐に渡ります。その中でも直近2回の会議、TICAD5で採択された横浜行動計画と、TICAD6で採択されたナイロビ宣言を紹介します。

(1)横浜行動計画で掲げられた6つの重点分野

1)経済成長の推進

 アフリカ間や更に細かいエリア間の貿易促進や、ビジネス環境を整えることによる投資促進など。

2)インフラ整備・能力強化の促進

 経済成長の基盤である電気や水などのインフラの強化や、職業訓練などの雇用に繋がる人材育成、科学や工学分野の人材育成や研究施設・体制の構築によるイノベーションの促進など。

3)農業従事者を成長の主人公に

 自給自足の農業から市場型農業(金農作物を売買する農業)への移行促進干ばつや洪水などの自然災害に強い体制の構築など。

4)持続可能かつ強靱な成長の促進

 自然災害に対する防災能力の強化や、持続可能な土地や森林などの利用・管理に関する人材育成や体制構築の支援など。

5)万人が成長の恩恵を受ける社会の構築

 教育、包括的な保険制度の構築支援、安全な水など。

6)平和と安定、民主主義、グッドガバナンスの定着

 今続く紛争の解決予防やテロ対策などへの取組強化支援、平和や情勢安定にアフリカの国々自身が取組めるような主体性の強化、安定した、民主的な国の統治(グッドガバナンス)の実現など。

(2)ナイロビ宣言で掲げられた3つの柱

1)経済多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進

 エネルギー問題や都市問題への取組や、新たな市場創出、経済活動の基となるインフラの整備、貿易と投資の促進やビジネス環境の改善を重要視した民間部門の強化など。

2)質の高い生活のための強靭な保健システム促進

 全ての人が保険サービスを受けられるような保険制度の強化、安全な水や衛生の確保、医療従事者・関係者の能力開発、感染症の爆発的な流行の予防と対策など。

3)繁栄の共有のための社会安定化促進

 社会の安定化や平和構築に教育・職業訓練の強化、テロ対策能力の強化、森林破壊や砂漠化など世界規模の問題への取組の強化など。

まとめ

 この記事をまとめると以下のようになります。

  1. TICADは「アフリカの経済や社会の開発について議論をする会議」
  2. TICADの目的は①開発パートナーとのパートナーシップの強化や、②オーナーシップを引き出し、製品やサービスの輸出能力を向上させること
  3. 重点分野は、平和構築、経済成長、インフラの構築、保健衛生など多岐に渡っている。

 また、外務省がTwitterとFacebookがTICAD7の公式アカウントを運営しているようなので、興味のある方はこちらもチェックしてみてください。TICADにするイベント情報などもキャッチできます。

 ‐Twitter:https://twitter.com/ticad7

 ‐Facebook:https://www.facebook.com/TICAD7/

皆さんをご一緒にTICADを盛り上げていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!

※これまでのTICADの歴史について解説した記事はこちら。

 

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参考文献

*1 外務省 TICAD報告書2018
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000406610.pdf

*2 外務省 TICAD Ⅳ(2008~2012年)の公約達成状況
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/pdfs/tc4_kouyakutassei.pdf

*3 国連環境開発計画 アフリカ開発会議ーTICAD
http://www.undp.or.jp/ticad/about.html

*4 ユニセフ ユニセフ基礎講座 アフリカ開発会議 TICAD ー元気なアフリカを目指してー
https://www.unicef.or.jp/kodomo/teacher/pdf/fo/fo_53.pdf

*5 外務省 囲み I-1 開発イニシアティブの概要
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/06_hakusho/ODA2006/html/kakomi/kk01000.htm

*6 外務省 TICAD V 横浜行動計画 2013-2017
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/page3_000210.html

*7 外務省 TICAD VIナイロビ宣言 アフリカの持続可能な開発アジェンダ促進 繁栄のためのTICADパートナーシップ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/af/af1/page3_001784.html

 

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