【3分で読める】条約にまつわる言葉:採択、署名、批准、発効、締結とは?わかりやすく解説します

 こんにちは!コウイチローです。早速ですが、条約などに関するニュースが流れる時に、このようなワードを聞いたことはありませんか?

A条約が採択され、日本も署名しました。
日本は1年前にB条約に批准しましたが、いまだ発効には至っていません。

 条約の採択、署名、批准、発効、締結など言葉の意味が分かると、ニュースの理解も深まります。この記事では、条約に関するこれらの用語の意味をできるだけ簡単に解説します。

5つの言葉の意味を分かりやすく説明

 基本的な流れは、下記のとおりです。

採択→署名→批准→発効→締結(発効と締結は順番が逆になる場合がある)

 順番に説明していきますね。

(1)採択

 条約を締結する上でのスタートは「採択」です。

 採択とは、ある条約の内容について会議で話し合われた結果、「C案が一番いいね!これでいきましょう!」と決めることを指します。

(2)署名

 次に、採択された条約に対して国として賛成(条約に拘束される)/反対(拘束されない)の判断をしなければいけません。賛成する場合は、その時々で署名する権利を有する人(全権大使)が条約に署名します。二国間の条約などでは署名 = 確定となるケースもありますが、重要な条約に関しては、署名は賛成の「意思表示」に留まります。つまり、署名だけでは「参加しようと思います」と言っているだけで、条約への参加を確定したことにはならないのです。

(3)批准

 署名がなされた条約の内容を国家が確認します。問題がなければ国家として正式に条約に同意します。これが批准です。批准すると、正式な手続きを踏まない限り、条約の内容を変更できません。

 実際、署名したのに批准されないこともあります。国家の信用問題に関わるものの、法的には問題ありません。

(4)発効

 発効とは、正式に条約が効力を持つことです。

 批准しても、すぐに条約が効力を持つ(=発効)わけではありません。なぜなら、条約が発効するためには、その条約自身に記載された条件(一定数以上の国が条約に批准すること等)をクリアしなければならないためです。

 具体例を挙げると、京都議定書の場合は、①55ヵ国以上の批准、②付属書I国(先進国+ロシア・東欧)の温室効果ガスの排出総量の55%以上を占める国の批准が必要でした。

 一定国数以上の批准など条件を達成すると、条約は初めて発効するのです。

(5)締結

 締結とは、採択や署名、批准などの全ての手続きを済ませ、条約参加を確定させることです。

 上記の京都議定書では、締結ではなく批准が発効条件になっているため、締結する前に発効できた可能性もありましたが、実際には日本が締結した後で発効されており、締結の後に発効となる場合は珍しくありません。

まとめ

 この記事をまとめると以下の通りです。

  1. 採択=条約の内容を決定
  2. 署名=条約参加の意思表示
  3. 批准=国家としての正式同意
  4. 発効=条約の内容が効力を発揮
  5. 締結=条約参加の最終確定

 皆さんが条約に関する言葉の理解が深まれば幸いです。

 最後までお読みいただきありがとうございました!

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