
こんにちは!コウイチローです。早速ですが、条約などに関するニュースが流れる時に、このようなワードを聞いたことはありませんか?
条約の採択、署名、批准、発効、締結など言葉の意味が分かると、ニュースの理解も深まります。この記事では、条約に関するこれらの用語の意味をできるだけ簡単に解説します。
5つの言葉の意味を分かりやすく説明
基本的な流れは、下記のとおりです。
順番に説明していきますね。
(1)採択
条約を締結する上でのスタートは「採択」です。
採択とは、ある条約の内容について会議で話し合われた結果、「C案が一番いいね!これでいきましょう!」と決めることを指します。
(2)署名
次に、採択された条約に対して国として賛成(条約に拘束される)/反対(拘束されない)の判断をしなければいけません。賛成する場合は、その時々で署名する権利を有する人(全権大使)が条約に署名します。二国間の条約などでは署名 = 確定となるケースもありますが、重要な条約に関しては、署名は賛成の「意思表示」に留まります。つまり、署名だけでは「参加しようと思います」と言っているだけで、条約への参加を確定したことにはならないのです。
(3)批准
署名がなされた条約の内容を国家が確認します。問題がなければ国家として正式に条約に同意します。これが批准です。批准すると、正式な手続きを踏まない限り、条約の内容を変更できません。
実際、署名したのに批准されないこともあります。国家の信用問題に関わるものの、法的には問題ありません。
(4)発効
発効とは、正式に条約が効力を持つことです。
批准しても、すぐに条約が効力を持つ(=発効)わけではありません。なぜなら、条約が発効するためには、その条約自身に記載された条件(一定数以上の国が条約に批准すること等)をクリアしなければならないためです。
具体例を挙げると、京都議定書の場合は、①55ヵ国以上の批准、②付属書I国(先進国+ロシア・東欧)の温室効果ガスの排出総量の55%以上を占める国の批准が必要でした。
一定国数以上の批准など条件を達成すると、条約は初めて発効するのです。
(5)締結
締結とは、採択や署名、批准などの全ての手続きを済ませ、条約参加を確定させることです。
上記の京都議定書では、締結ではなく批准が発効条件になっているため、締結する前に発効できた可能性もありましたが、実際には日本が締結した後で発効されており、締結の後に発効となる場合は珍しくありません。
まとめ
この記事をまとめると以下の通りです。
- 採択=条約の内容を決定
- 署名=条約参加の意思表示
- 批准=国家としての正式同意
- 発効=条約の内容が効力を発揮
- 締結=条約参加の最終確定
皆さんが条約に関する言葉の理解が深まれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!