【4分で読める】貧困はなぜ起こるのか?マルサスの罠をわかりやすく解説!PART1~概要と背景~

 

 こんにちは!コーイチロウです!

 貧困の削減は、国際協力の主な目的の一つです。「貧困に苦しむ人達を救いたい」という志を持っている人も少なくないはずです。SDGsでも貧困問題の解決が一つの目標になっています。では、そもそも貧困はなぜ起こるのでしょうか?全3回で解説します。

 貧困については様々な研究がなされていますが、理論の1つとして「マルサスの罠(人口の落とし穴)」があります。この記事では、マルサスの罠について、理論の前提から内容について簡単に解説していきます。

※(第2回)「マルサスの罠のメカニズム(理論)」、(第3回)「マルサスの罠からの脱却」について解説した記事はこちら

 

マルサスって誰のこと?

 マルサスの本名は、トマス・ロバート・マルサス(Thomas Robert Malthus)です。1766~1834年を生きたイングランド出身の経済学者です。有名や著作には、マルサスの罠が示された「人口論」や「経済学原理」が挙げられます。

貧困と食糧

 皆さんは「貧困」と聞いてどのような状況を思い浮かべますか?

 真っ先に思いつくのは「食べるものがない」ではないでしょうか?人は活動に必要なエネルギーを摂取しないと生きていけませんよね。逆に食べるものさえあれば、なんとか生きていけます。それだけ、貧困と食糧の確保は密接につながっています。

 食糧が不足する理由として、人口が多すぎることが挙げられます。発展途上国では爆発的に人口が増加しているため、、それが貧困の一因になるのです。

マルサスの罠とは?

 マルサスの罠はWikipediaでは、以下のように説明されています。

マルサスの罠(マルサスのわな:英:Malthusian trap)または人口の落とし穴(英: population trap)は、飢餓に導くような食料供給の不足に従い、過剰な人口が増加を停止するであろうとの予想が適切かどうかとの問題である。

                                                                                                          (参照元:Wikipedia

 これだけだと、ほとんどの人は、正直よく分からないのでないでしょうか。

 マルサスの罠を説明する上でキーワードとなるのが、「人口」と「食糧」です。マルサスの罠の原理を簡単に説明すると以下のようになります。

人口が増えるとそれだけ食糧が必要になるが、人口の増加量ほどに食糧の生産量は増えない。

しかし、生きていくための最低限の食糧が確保できる限り、人口は増加していく。

その結果、人口が一定数に達すると、生きていくためのギリギリの量しか食糧を確保できなくなり、人口も生活水準も向上しなくなって社会の成長が止まる。

 簡単に言っても少し長くなりますね、、、

マルサスの罠が発表された頃の時代背景

 マルサスの罠のメカニズムについての細かい解説は、次の記事で行います。その前に、1つ理解して欲しいことがあります。それはマルサスの罠が発表された際の時代背景です。現代の日本では少子化により人口が減少し始めていますね。結婚しても、あえて子供を持たない選択をする人も増えています。そのため、特に若い世代は「最低限の食糧が確保できる限り人口が増えるってありえない!」と納得できない方もいるかもしれません。しかし、マルサスの罠が発表された時代は少し事情が違うのです。

 マルサスの罠は、イングランド出身のトマス・ロバート・マルサス(1766~1834年)が1793年に発表した「人口論」の中で提唱されました。1790年代は、産業革命による急速な技術革新の影響で世界的に人口が急速に増え続けている時代でした。マルサスはそのような時代の中で「このまま人口が増え続けたら、どうなってしまうのだろう?」と思い、「マルサスの罠」を提唱したのかもしれません。このような時代背景が前提にあると考えると理解しやすくなるかと思います。(*1)

 次回は、マルサスの罠にはまるメカニズムについて分かりやすく解説しました。是非お読みいただけたら幸いです。

※(第2回)「マルサスの罠のメカニズム(理論)」、(第3回)「マルサスの罠からの脱却」について解説した記事はこちら

 

オススメ書籍のご紹介

 最後に、マルサスの罠・人口論について「もっと勉強したい!」という方にオススメの書籍を紹介します。筆者が実際に読んでみた中で、できるだけ分かりやすく読みやすい本を選びました。

(1)充実した内容かつ、読みやすい翻訳

1冊目はこちら。

 

 この1冊を読めば、人口論の基本的な部分は全て押さえることができると言えるほど内容が充実しています。その分、読むのが大変に感じる方もいるかもしれませんが、翻訳がめちゃくちゃ綺麗で分かりやすいです。しっかり勉強したい人には是非ともお勧めしたい1冊です。

(2)まずは漫画で!

 2冊目はこちら。

 

 「いきなり専門書はちょっと、、、」という方のために、なんと漫画で読める人口論もありました。ネズミになったマルサス先生が、分かりやすく解説してくれます。漫画なので、中高生から大人まで楽しくスラスラと読める内容になっています。しかも、内容は本格的な経済学書です。全ての概念を網羅しているわけではないかもしれませんが、取っ掛かりとして最適な1冊といえるでしょう!

(3)開発経済学の超入門編

3冊目はこちら。

 

 人口論に特化した内容ではありませんが、「マルサスの罠」「人口転換」などを含んだ開発経済学の超入門書です。より幅広く開発経済学を勉強したい方にはオススメです。日本の開発経済学の権威的存在である渡辺利夫先生の書籍です。少し古い本ではありますが、一読の価値ありです。予備知識がなくてもスラスラと読みやすい文章ですが、内容は充実していて知的好奇心を刺激してくれます。まさに超入門編として、オススメの1冊です。内容は、その他に「産業構造の転換(緑の革命、インダストリアリズムなど)」など一般的な開発経済学の基本を押さえつつ「日本のODAの特徴」の他、渡辺先生の専門分野であるアジアに特化して書かれた章もあります。

 最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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参考文献:

*1 渡辺利夫(2010)開発経済学入門 第3版 東洋経済新報社

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