【5分で分かる】日本のODA支出額は世界で第○位!最近の推移・動向、世界に占めるシェアまでを簡単に解説(日本のODAの現状PART 1)

 こんにちは!コウイチローです!

 この記事では日本のODAの現状について、分かりやすく説明します。この記事は2部構成の前半です。日本のODA支出額の推移、世界で何番目に支出額が多いか、そして世界のODA支出額に占める日本のシェアについて解説します。(この記事は2019年7月現在のデータを参照しています)

※後半はこちら

 

※そもそもODAって何?という方はこちら

 

日本のODA支出額の推移

 まず、日本のODA支出額の実績を見ていきましょう。支出額には、総支出額と純支出額の2種類があります。総支出額とは、文字の通り1年間に支出した総額です。純支出額とは、総支出額から途上国が返してくれたお金を差し引いた金額です。返してもらったお金とは、元々は有償資金協力(円借款)を通して貸したお金を指します。外務省が発表している「2018年版開発協力白書」によると、2017年度の総支出額は約184億6,120万ドル(約2兆710億円)でした。前年比で約9.8%増(ドルベース),約13.2%増(円ベース)です。(*1)

 この数字だけ見ても、世界的に見て多いか少ないかが分からないので、2010年以降のデータをグラフにしました。まずは総支出額の推移から見ていきます。(*1)

 最近3年間は上昇傾向にありますね。2013年度以降は減少傾向にありましたが、最近は持ち直しています。ちなみに、ドルベースと円ベースの金額がありますが、日本国内の予算措置は基本的に円で行います。しかし、円のままだと他国と比較できないので、世界通貨のドルに換算しています。続いて、純支出額を見ていきましょう。

 純支出額の傾向も基本的には総支出額と変わりませんね。

日本のODA支出額は、世界で〇番目!

 そして、タイトルにある世界における日本国のODA支出額の順位はこちらです。(*2)

 直近の日本の世界ランク(2016年度は29ヶ国中)は、総支出額が第3位、純支出額が第4位でした。(*2) 先進国の中でも積極的にODAに取組んでおり、世界でも存在感が高いことが分かりますね。

 2013年まで総支出額は第2位をキープしていましたが、2014~2016年は4位で、2017年では1つ順位を上げたものの、ドイツには及ばず第3位に順位を落としてしまいました。ちなみにずーと第1位を独走しているのはアメリカです。

世界のODA支出額に占める日本のシェア

  先程の図を一見すると、直近の数年間で日本のODAの存在感は小さくなり始めているように見えます。実際はどうなのか確認しましょう。以下に世界のODA純支出額に占める日本のシェアをまとめました。

 ここから、世界のODA支出純額に占める日本のシェアは、概ね縮小している、言い換えると金額面だけ見ると、日本のODAの世界的な存在感は小さくなっているということが言えます。そして、明らかに2014年度に、支出額が減少しています。外務省は、原因を以下のように分析しています。

 対前年比で日本のODA実績が減少した主な要因は、円安の進行によりドルベースでの金額が減少したことに加え、前年には債務救済の実績の増加(有償資金協力で貸したお金の返済義務を免除することで、実質的には支出したことになる)という特殊要因によりODA実績が増大したものが、2014年にはその要因がなくなったことなどによるものです。(*1)

(参照:外務省)

 つまり2013年に比べると①円安と②債務救済の実績増によるもので、日本のODA予算そのものが減少している訳ではないようです。円安が進むと、円→ドルに換算したら額面が少なくなってしまいますからね。

 上記で説明した通り、日本のODA支出額は総額・純額ともに程度の違いはあるものの、増加傾向にあることを説明しました。(1.日本のODA支出額の推移を参照)

 ODAの支出額や日本の世界に占めるシェアは、為替相場に加え、途上国のニーズ、世界各国のODA支出額、日本国や外務省のODAに対する姿勢などにより、大きく変化します。

 本サイトは、今後も日本のODA動向に注目していきたいと思います。より詳細な情報を求める方には、外務省が年次で発表している開発協力白書・ODA白書をオススメします。(この記事でも参考にいたしました。)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo.html

まとめ

 この記事で書いた内容をまとめると以下の通りです。

  1. 日本のODA支出額は、特殊要因を除くと、総額・純額ともに増加傾向にある。
  2. 最新(2017年)の日本のODA支出額は、世界で総支出額3位、純支出額4位。
  3. 2014年度以降、円安などの影響などで世界的なシェアは、下降しつつある。

 次回は、日本の直近のODA実績の中身を形態別に解説していきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

※後半はこちら

 

参考文献:

*1 外務省:ODA白書2011~2018年

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo.html

*2 外務省:ODA実績

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki.html

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