【4分で分かる】ODAはなぜ必要か?援助される国/援助する国のメリットは?

 こんにちは!コーイチロウです!

 この記事では、「国際協力の一つであるODA(政府開発援助)はなぜ必要なのか」について、途上国と先進国、双方の立場からわかりやすく解説します。さらに日本にとって、ODAが他の先進国よりも大切な理由についても解説します。

 2017年度のデータでは、日本のODA(政府開発援助)支出総額は、約184億6,120万ドル(約2兆710億円)となっています。(*1) すごい金額ですよね?なぜ、日本はODAにこれ程のお金を投入するのでしょうか?

 

途上国がODAを必要とする理由

 一言で説明すると途上国政府はお金がないけれど、発展するにはお金が必要だからです。では、なぜお金がないのか。それは国民の所得水準が低いからです。政府の基本的な財源は、税金による収入(税収)ですが、所得が低いとみんな生活するのに精いっぱいで、たくさん税金なんて払えません。

 では、なぜ発展するのにお金が必要なのか、それはインフラを整備したり、色々な資材や機材を買ったりする必要があるからです。また、有能な人材も必要ですが、人材育成にもお金がかかります。つまり、以下のような負のスパイラルが続きます。

途上国で起こりがちな負のスパイラル

 ここで、ODAにより、先進国から途上国に資金や人材教育が供与されると、途上国政府に余裕資金ができるため、インフラの整備や有能な人材育成ができて、負のスパイラルを抜け出せる可能性が出てきます(下の図では分かりやすくするため、ODAでお金をあげた場合を想定しています)。

ODAの資金が流入すると、、、

 ODAの資金供与は、途上国が自力で発展するための手助けになるのですね。もちろん現実には色々な問題があり、こんなにうまくはいかないですが、ODAが途上国の経済や社会の発展に寄与するメカニズムは理解いただけましたか?

 次に援助する側(先進国、ここでは具体的に日本)がODAに取組む理由を見ていきましょう。

先進国(日本)がODAに取組む目的

 それは、外務省が発表する政府開発援助大綱に記載されています。目的の最初の一文に、ODAの目的が、以下のように書かれています。

我が国ODAの目的は、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することである。

(引用元:外務省HP>政府開発援助大綱

図で表すとこのようになります。

ODAの目的①

 、、、少しイメージが付きにくいですね。そこで、少し説明を加えると、このようになります。

ODAの目的②

 多少は、分かりやすくなりましたか?

 国際社会の平和と発展に貢献することによって、日本への信頼が高まり、政治的にも経済的にもメリットがあるということですね。それにより、安全の確保についても、日本や日本と関連がある組織・団体が、戦争やテロの対象となるのを防ぐ効果が期待できます。

 また、ODAの中でも二国間援助は援助する国がメリットを受けやすいという側面があります。

 

他国以上に日本がODAに取組むべき2つの理由

(1)軍事的貢献が難しい

 日本は自衛隊を持つものの、軍事力を持ちません。戦争を食い止めるために、PKO(平和維持活動)などで自衛隊を派遣することがあっても、戦闘はできないため、活動が制限されます。そのため、米国など軍事力を持つ多くの先進国より軍事的な貢献度は低くなりがちです。(*2)

 それをカバーするためにも、ODAを通じた国際貢献は、日本が世界に貢献する重要な手段となります。

(2)資源や食料などを輸入に依存している

 日本は、産業や生活に必要な資源や食料を、輸入に依存しています。エネルギー自給率は8.3%(2016年)、食料自給率は38%(2017年、カロリーベース)しかありません。(*3)

 仮に輸入がストップしてしまうと、日本は今のような生活や経済活動を維持できなくなります。ODAによって、途上国との信頼関係を構築・維持することで、こうしたリスクを防いでいるのです。

この記事のまとめ

  1. 途上国がODAを必要とする理由は、「途上国政府はお金がないけれど、発展するにはお金が必要だから」
  2. 先進国(日本)がODAに取組む目的は「①国際社会の平和と発展に貢献するため」、その結果「②我が国の平和と安全を確保するため」
  3. 他国以上に日本がODAに取組むべき2つの理由は、「①軍隊を持たないため、軍事的貢献が難しいため」、そして「②資源や食料などを輸入に依存しているため」

 ODAはなぜ必要なのか、援助される側と援助する側に分けて解説しましたが、いかがでしたか?この記事を読んでくれた人が少しでもODAに興味を持ってくれたら嬉しいです。

オススメ書籍のご紹介

 最後に、国際協力について「もっと勉強したい!」という方にオススメの書籍を紹介します。筆者が実際に読んでみた中で、できるだけ分かりやすく読みやすい本を選びました。

(1)開発経済学の超入門編

1冊目はこちら。

 

 日本の開発経済学の権威的存在である渡辺利夫先生の書籍です。少し古い本ではありますが、一読の価値ありです。予備知識がなくてもスラスラと読みやすい文章ですが、内容は充実していて知的好奇心を刺激してくれます。まさに超入門編として、オススメの1冊です。内容は、「マルサスの罠」「人口転換」「産業構造の転換(緑の革命、インダストリアリズムなど)」など一般的な開発経済学の基本を押さえつつ「日本のODAの特徴」の他、渡辺先生の専門分野であるアジアに特化して書かれた章もあります。

(2)もう少し踏み込んだ基本編

2冊目はこちら。

 

 こちらも、渡辺利夫先生の書籍です。私は決して渡辺先生の関係者ではございませんが(笑)、「読みやすい」+「しっかりした内容」という意味で、渡辺先生の書籍は素晴らしいのです。上記も含め、学術的な本なので、「涙が溢れた」とか「衝撃を受けて人生が変わった」みたいな感想を抱くことはありませんが、真剣に国際協力分野(特に開発経済学)への見識を広げたいという方には、オススメの書籍です。グラフや表なども多く、1冊目の本と扱う内容は重なっている部分がありますが、より学術的に詳しく説明されています(けど読みやすい!)。

 最後までお読みいただきありがとうございました!

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参考文献:

*1. 外務省 国際協力白書・ODA白書 2018年

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo.html

*2. 渡辺利夫(2010)開発経済学入門 第3版 東洋経済新報社

*3. 環境省資源エネルギー庁 2018―日本が抱えているエネルギー問題

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2018.html

*4. 農林水産省 日本の食料自給率  

www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html

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